お墓の引っ越しは「改葬」とも呼ばれており、年間で8万件程度の届けがあります。
寺院墓地にある墓を改葬する場合には注意が必要です。改葬は寺にとっては檀家の減少による収入減につながります。このため、法外な「離檀料(りだんりょう)」を取る寺もあるので、改葬の理由や状況を寺側に丁寧に説明し、理解と合意を得ることが大切です。
墓石をそのまま引っ越し先の墓地に持ち込む場合には、当然、運搬費がかかります。運搬費が高くつき、それまでの墓石を使っても思ったほど安くならないこともあります。また、新しい墓地が持ち込み可能なのか、持ち込めてもサイズなどが合うかなども確認しましょう。
改葬する遺骨の数も頭に入れておかなくてはなりません。先祖代々の墓をそのまま引っ越しすると、かなりの遺骨数になります。大都市圏では、大きな墓を確保するには、相当の費用負担が伴います。「改葬する遺骨をどれにするか」「残った遺骨は改葬先の土にかえすか」「将来の遺骨の数」などを考慮に入れて、改葬先の墓地の大きさを検討しなくてはなりません。