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相続

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変わる相続10のポイント【ココが変わる3】

2018.11.14

妻が夫から贈られた自宅は遺産分割の対象外

【ポイント】
 夫が亡くなって遺産分割協議が行われる際、20年以上連れ添った妻が、ともに暮らした土地建物を夫から贈与されていたら、その不動産は遺産に持ち戻す必要がありません。

【〝持ち戻し〟って?】
たとえば父親が亡くなって長男と長女が遺産相続をすることになった状況を考えてみます。長男は父親から生前、住宅購入のために頭金として300万円の贈与を受けていたとします。これは長男(相続人)が父親(被相続人)から特別な利益を得ていたことになります(特別受益)。一方でもう一人の相続人である長女は父親から一切の資金援助をしてもらっていなかったとすると、そのまま遺産分割をしては不公平が生じることになります。そこで相続人の間の公平を期すため、遺産分割にあたっては、長男がもらった300万円も遺産の一部として戻したうえで、それぞれの相続人の取り分を計算します。これを特別受益の持ち戻しといいます。

【いままでは】
現行の民法では原則として、遺言による遺贈や生前贈与による特別受益は、持ち戻しされることになっています。これは配偶者でも変わりありません。ただし例外として、先の例では、父が遺言で「長男への贈与は持ち戻しを免除する」と明言している場合などは持ち戻す必要はないとされています。

そこで、夫が生前、一緒に住んでいた土地建物を妻に贈与していた場合を考えてみましょう。
この場合、原則として、妻が夫から贈与された家は遺産分割時に遺産に持ち戻されることになります。そうすると、妻は遺産分割により家を取得したことになるため、家以外の現金などの他の財産の取り分が少なくなってしまいます。すると結果として、生活維持のために、妻は家を売らざるを得なくなり、生活の拠点を失うことになってしまいます。
このような事態を防ぐためには、夫が遺言で「妻への贈与は持ち戻しを免除する」と明言すればよいのですが、一般的に特別受益の持ち戻しについての例外規定を知っていて利用できた人は、そう多くはなかったと思われます。

【これからは?】
改正民法施行後は、結婚20年を経た夫婦の間での遺贈または生前贈与のうち、居住用の土地建物について、生前贈与または遺言で遺贈した場合は、とくに遺言状などに明記しなくても、原則として遺産に持ち戻す必要はなくなります。
その結果、遺産分割で自宅の土地建物は相続の対象から外れ、妻は現金など他の財産を取得でき、生活維持が容易になると考えられます。


【知っておこう! あなたは相続人?】

■法定相続
相続では配偶者(夫または妻)は常に相続人となり、配偶者とともに次のように相続人の順位が定められています。
・第1順位 子
・第2順位 直系尊属(親など)
・第3順位 兄弟姉妹
つまり被相続人(亡くなった人)に子供がいれば、親や兄弟には相続の権利がありません。子供がいなければ親が相続し、さらに親もすでに亡くなっていれば兄弟が相続することになります。

■遺留分
一方、もし被相続人が「特定の第三者にすべての財産を譲る」という遺言を書いていて、その通り執行されたら、のこされた家族が困ってしまいます。そこで民法では、家族の生活を守るため、「遺留分」として、法定相続人に一定の割合で相続財産を保障しています。
遺留分は原則として全相続財産の2分の1です。ただし相続人が直系尊属(親など)だけの場合は、全相続財産の3分の1となります。兄弟姉妹は通常生活をともにしていないので遺留分は認められていません。
相続人が複数いる場合は、遺留分を法定相続に基づいて分配します。相続人に兄弟姉妹が含まれる場合は、その分を除いて遺留分を計算します。
遺贈などにより遺留分が侵害された場合は、その侵害分を遺贈を受けた人に請求できます。

■パターン1 妻と子供
結婚して2人の子供がいたとすると、相続人は妻と2人の子供となる。法定相続分は、妻が2分の1、2人の子供はそれぞれ2分の1×2分の1=4分の1ずつとなる。遺留分は相続財産の2分の1なので、妻の遺留分は2分の1(遺留分)×2分の1(法定相続分)=4分の1、子供も同様に、それぞれ2分の1×4分の1=8分の1となる。

■パターン2 妻と親
結婚したが子供はおらず、母親が存命であったとすると、相続人は妻と母親となる。法定相続分は妻が3分の2、母親が3分の1。遺留分は相続財産の2分の1なので、それぞれ法定相続分に基づき、妻は2分の1×3分の2=3分の1、母親は2分の1×3分の1=6分の1となる。

■パターン3 妻と兄弟姉妹
結婚したが子供はおらず、両親は死去、弟が1人いたとすると、相続人は妻と弟。法定相続分は、妻が4分の3、弟が4分の1となる。また、弟には遺留分がないので、妻の遺留分は相続財産の2分の1。もし被相続人が「妻に全財産を贈る」と遺言書を書けば、そのとおり妻が全財産を相続できる。

■パターン4 親のみ
仮に被相続人が結婚せず、亡くなったとき存命の親族が母親1人だったとすると、法定相続人は母親のみとなり、全財産を母親が相続する。遺留分は全財産の3分の1。もし被相続人が全財産を第三者に贈るという遺言書をのこしていた場合、母親は3分の1の遺留分減殺請求ができる。

■パターン5 妻と孫
たとえば一人っ子の息子が結婚して孫ができたが、息子は病気などで先に亡くなってしまったという場合は、孫が本来の相続人である息子に代わって、その相続分を代襲相続することになる。被相続人の妻も存命であれば、妻と孫がそれぞれ2分の1ずつ相続する。遺留分は、妻も孫も2分の1×2分の1=4分の1となる。

■パターン6 兄弟姉妹のみ
未婚で親がすでに亡くなっており、兄弟姉妹だけがいるという場合、たとえば兄弟姉妹が2人なら、法定相続分はそれぞれ2分の1ずつ。ただし兄弟姉妹には遺留分が認められていないので、もし被相続人が第三者に全財産を贈るという遺言書を作成していた場合は、兄弟姉妹は一切の財産を相続できない。

■パターン7 甥と姪
未婚で両親も1人いた兄も亡くなっているという場合、兄に子供(甥や姪)がいれば、本来の相続人である兄に代わってその子供(甥や姪)が代襲相続することになる。法定相続分は甥と姪が2人なら均等に2分の1ずつ。なお本来の相続人である兄には遺留分がないので、甥や姪にも遺留分はない。


【いろいろあります。相続の方法】

法定相続はいわばひとつの目安。亡くなった方(被相続人)の意思や相続人の話し合いなどによって、法定相続とは異なる分配をすることももちろん可能です。

■遺贈(特定遺贈)
特定遺贈とは、被相続人が遺言書によって特定の財産を法定相続人以外の特定の人へ贈る場合をいいます。たとえば以下のような例がそれにあたります。
母親には一人娘がいた。しかし娘は自分の夢を追いかけるのに夢中で、母親のところにはめったに顔を見せにこない。母親は高齢になり、介護が必要となったが、そのための手続きなどは、近所で暮らす姪が代わって行ってくれた。
母親は娘はどうせ家には帰ってこないだろうと、遺言で自分の住む土地建物を姪にのこすことにした。姪は血縁者ではあるが、相続人ではない。このように相続人でない特定の人物に、自宅の土地建物という特定の財産を遺言で贈るような場合を特定遺贈といいます。

■相続分の指定
遺言により、相続人の相続の割合を指定することをいいます。
自営業の父親には、長男、長女、次男の3人の子供がいる。
父親の事業には長男が携わり、長女と次男はまったく違う職業に就いて遠方に住んでいた。父親が高齢になると、介護はすべて長男が行った。
父親は事業を引き継いでくれたうえに、いろいろ世話になった長男に、より多くの財産を残したいと考え、遺言書で遺留分に配慮しつつ、「長男に財産の3分の2を、長女と次男にはそれぞれ6分の1ずつを与える」と書いた。
3人は相続人であり、相続人に対して、3分の2や6分の1と相続の割合を指定しています。このような場合を「相続分の指定」と呼びます。

■遺産分割方法の指定
遺言で特定の相続財産を特定の法定相続人に相続させることをいいます。具体的には、以下のような例になります。
父親には同居する長男と、結婚して独立した長女がいた。父親は自分が死んだあと、長男の住む家がなくなると困ると思い、遺言で「建物と敷地は長男に与える」と書いた。
建物と敷地という特定の財産を、長男という特定の相続人に遺言で相続させるので、遺産分割方法の指定となる。
最高裁の判例により、「建物と敷地を長男に相続させる」という文言の遺言も、同様に遺産分割方法の指定にあたります。

■遺産分割
遺産分割とは、法定相続による共同相続財産を、相続分に応じて各相続人の個人財産とする分配手続きをいいます。遺産分割は共同相続人全員の協議によって行います。もし相続人の間で協議が整わなかったり、協議することができなかったりという場合は、家庭裁判所の審判によって分割されることになります。

(文 児玉浩子)


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