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【お墓トレンドレビュー 納骨堂その1】都会で人気を誇る3つの理由とは

2016.10.14

「便利、安価、安心」…都会のニーズにマッチ

東京都港区にある「伝燈院 赤坂浄苑」の納骨堂

 納骨堂とは「墓地、埋葬に関する法律」(墓埋法)で、遺骨を土中に「埋蔵」するのが墓地であるのに対し、遺骨を「収蔵」する(土中に納める以外の方法で納める)ものと定められています。

 近年、納骨堂が話題となることが増えてきたのには理由があります。

 まずは、墓地と異なり景観の問題があまりないため、地元住民の反対も墓地よりは少なく、交通の便のいい所に新規に設置しやすいのです。次に、室内であるため天候の影響も少なく、お墓掃除や草取りも不要です。利用者にとっては負担が少なく、お参りにも行きやすいというメリットが挙げられます。

 また、もともと省スペースなので室内で上に重ねたり、何階ものビル形式にしたりすることができます。通常は墓石も必要なく、使用料・年間管理料だけで済むのでお墓より安価で提供でき、利用者もお墓より求めやすいといえます。さらに、承継者がいなくても申し込めるように永代供養としているケースも多く、跡継ぎがいない人にもぴったりで、まさにお墓の代わりとなる施設になってきているのです。

 ひと言で言えば、「便利、安価、安心」と、三拍子そろっており、近年の利用者のニーズに応えていることが人気の秘密といえるでしょう。

統計にも表れる納骨堂の増加

 納骨堂は、もともとは一時的に遺骨を収蔵する施設として、昭和初期くらいからお寺の境内に建てられていたようです。しかし、高度経済成長期以降、時代の変化とともに、一時的に遺骨を保存するためだけではなく、永続的に遺骨を収蔵する施設としての役割が期待されるようになってきたのです。

 ただ、納骨堂は元来、一時的な保管施設であるため、収蔵期限が設定されている場合は、契約の更新が必要となるので注意が必要です。

 近年、納骨堂は増えている印象を受けますが、具体的統計データとしては、どうなのでしょうか?

 厚生労働省は毎年度、全国の墓地・火葬場・納骨堂の数を調査し、「衛生行政報告例」にまとめています。

 それによると、意外にも全国の納骨堂数は、1996年度が1万1960カ所、97年度は1万975カ所。その後、ずっと1万1000台で推移し、最新統計の2012年度でも1万1620カ所と、見事なまでに横ばいなのです。

 印象と統計数字が違うのはなぜでしょう。1997年度から掲載されている「地方公共団体、民法法人、宗教法人、個人、その他」の内訳に、謎を紐解くヒントが見つかりました。

宗教法人による納骨堂が、97年度5924カ所、98年度6151カ所。その後、ほぼ毎年増え続け、最新統計の2012年度で7824カ所になっているのです。恐らく旧来の納骨堂が減った分、お寺などによる都市型の納骨堂が順調に増えているものと思われます。

 さらに、併せて掲載されている都道府県別の数値を見ると、よりはっきりします。たとえば東京では、97年度は259カ所、98年度は266カ所。その後、ほぼ毎年増え続け、最新統計の2012年度で369カ所となっていました。やはり、都市部で納骨堂は、確実に増えているのです。

上野國光氏

         ◇
 上野國光(うえの・くにみつ) 1956年生まれ。大学を卒業後、電機メーカー勤務などを経て、88年にイオ株式会社を設立、石のギャラリーを中心とした業務を展開する。東京都内を中心に大規模墓地や納骨堂の開発、寺院の活性化のプログラム(寺報発行サポート、墓地管理業務)などの事業に携わっている。


     
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