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『キミの墓石を建てに行こう。』フジテレビ ドラマ甲子園で19歳予備校生が監督

2018.10.30

松本城で楽しいひとときを過ごす梨花(志田未来)と片瀬(磯村勇斗)

試写会で作品が制作された感想を語る宮嵜瑛太監督

フジテレビが演出家の才能発掘をめざし、高校生を対象にドラマ脚本を募集する「ドラマ甲子園」の第5回大賞は、長野県松本市在住の宮嵜瑛太さんの作品『キミの墓石を建てに行こう。』に決まり、宮嵜さんが監督を務め、テレビドラマが制作された。
 
物語は、愛する女性の梨花(志田未来)を病気で失った青年、片瀬(磯村勇斗)が、梨花から「私のお墓を建ててほしい」という願いを託され、梨花と親しかった大学生、奈々(白石聖)とともに、3人の思い出をたどりながら、梨花の願いをかなえようとする様子を描く切ないストーリー。
 
宮嵜さんは、大学受験に失敗し浪人が決まった2018年2月から応募締め切りまでのわずか1カ月ほどの期間に、「高校生活で形に残るものを作りたい」との思いで書き上げたという。
 
中学時代は演劇部に所属。高校では趣味として小説を書いていた。脚本を書いたのは初めてだが、単純な青春物語ではなく、現代の若者の生き方や人間関係、現代社会を象徴する様相なども巧みに盛り込んだ。
 
主役の磯村は「脚本を読んで、繊細な大人のラブストーリーだと感じてすごく引き込まれた。せつなく、ファンタジーのようでもあるけど、寄り添いたくなる作品」と評価。また白石も「本当に10代で書いた作品なのかと疑いたくなるほど、ト書きがしっかり書かれ、セリフも考えられていた」と絶賛した。
 
高校生ながら「お墓」「死」をテーマにしたことに、宮嵜さんは「青春に向かっていくものもいいけど、大人が見ても心にくるものにしたかった。お墓は生きた証だと思っているのでテーマに選んだ」と話す。自身もお彼岸などにはお墓参りをして先祖に手を合わせるという。
 
「お墓を建ててほしい」という願いは、「すでに死を受け入れた人が、生きている人に何を託すのかということを考えたときに、お墓を建てることは、自分の死後も自分のことを思い出してほしいという切ない願いを象徴するものだと思った」と説明する。
 
撮影は同年夏、猛暑の松本市と東京都内で1週間にわたって行われた。宮嵜さんは予備校に通う傍ら、監督として撮影に取り組んだ。「自分の文字の世界が、どんどん目に見えるものになっていくことに感動した。多くの人の協力で作品を作っていく体験ができ、幸せを感じた。今までの人生であんなに色濃く、あっという間に過ぎた1週間はなかった」と振り返る。
 
初めての専門用語やカット割りに戸惑い、脚本を各段階では想定もしなかった登場人物の暮らしやバックボーンなど、改めて考え直さなければならないことに苦労したという。しかし志田は試写会に寄せたビデオメッセージで「ロケの初日と最後では、印象が全然変わった」と、監督として成長したことを称賛した。
 
受験生としては勝負の夏にドラマ制作に全力投球したことで、大学受験が心配という宮嵜さん。「芸術系の大学、学部が選べたらと希望しているが、そうでなくても創作に関わっていける活動、仕事をしていきたい」と自身の展望を描く。
 
ドラマは梨花が丘の上で診断書を破り、風に飛ばす美しいシーンから、一転、片瀬が亡くなった梨花の遺骨を「指一本分でも」もらい受けようとして、遺族の家からたたき出されるシーンに変わる。冒頭から印象的な映像が続くが、さて、片瀬はどんなお墓を建てるのか。
 
「お墓は、いつでもそこにあるけれども、(のこされた人の思いが)届くわけではない。しかしそこには、届かないもののはかなさ、美しさがある」と宮嵜さんは「お墓」の姿に自信をみせる。
 ドラマ『キミの墓石を建てに行こう。』は10月28日午後7時半から、CS放送フジテレビTWOで放送。


     
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