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【お墓トレンドレビュー 手元供養その2】「西高東低」の傾向 グリーフケアの側面も

2016.10.31

 手元供養は、お墓にこだわらない点では散骨と共通していますが、遺骨にこだわり、遺骨という形あるものを供養の対象としている点では、散骨とは大きく異なります。その意味で、死生観などの根本では似て非なる部分がありそうです。ただ、遺骨をすべて散骨するとさみしくなるとして、散骨と手元供養を併用する人は珍しくなく、散骨と手元供養は矛盾するものではないという一面もあります。

 また、最初のうちはお墓を持ちつつ、「遺骨の一部を手元に置いておきたい」「故人を身近に感じていたい」という理由で手元供養製品を求めるケースが大半だったといいます。その限りで、手元供養はお墓の延長でありお墓を否定する要素も意味合いもありませんでした。

 しかし最近では、お墓を建てずに手元供養のみで済ませるケースも出てきており、散骨同様、新しい葬法の一つとしてしっかりと受けとめ考えていく必要があります。

異なる骨拾いの習慣

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散骨ですべての遺骨をまかずに一部を手元供養する人も多い

 そこで、これまでの経緯を改めて振り返ってみましょう。

 手元供養は関西から広がっており、「西高東低」という興味深い現実に気がつきます。これは、関東と関西で火葬場での拾骨の違いに関係しています。

 関東では火葬場ですべて遺骨を集め、その全部をお墓に入れる「全部拾骨」の慣習があるのに対し、関西は遺骨の多くを火葬場に残す「部分拾骨」が普通で、遺骨を遺族らで分ける「分骨」も日常的に行われてきました。このため、手元供養は手元供養の製品が生まれる前から自然に始まり、受け入れられてきたのではないかと考えられます。

社会情勢の変化も

 手元供養が普及してきた背景については、まずは従来の慣習にとらわれることを好まず、宗教的供養を望まない人が増えてきたことが挙げられます。

 当然、それに代わる新たな供養の方法が必要となり、散骨や樹木葬とともに手元供養もそのひとつとして認知され支持されるようになってきました。

 また、少子化や単身者などの増加によって、承継を前提とする現在のお墓のあり方に対応できないケースが増えていることも背景にあります。

 地方から都市部に移り住んで来た人たちがお墓参りになかなか行けないため、手元供養製品をお墓代わりとしていることも考えられます。さらに、子供に負担を掛けたくないといった気持ちや、長引く不景気にともない供養に対しお金をかける余裕がなくなってきたことも無関係ではないでしょう。

 住宅事情の悪化やマンションなどの生活の洋風化のため、仏壇を置かない家庭が増えており、手元供養は場所をとらないことから支持されている側面も否定できません。お墓と異なり、環境に負荷をかけない点もプラス要因として働いています。

 手元供養には、悲嘆を癒す「グリーフケア」としての機能・役割があることは見逃せません。手元に故人の一部がいまだあることで、大切な人を亡くした悲しみを癒やす効果があるといわれています。

 初めのうちは、手元供養製品を求めるのは「逆縁」(親より子が先に亡くなる場合など)の事例が多かったことや、米国の同時多発テロ事件後に広がったことからも、その点はうかがいしれます。天寿を全うした場合より、逆縁や事故死のほうがグリーフケアの重要性は高いからです。

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上野國光氏

         ◇
 上野國光(うえの・くにみつ) 1956年生まれ。大学を卒業後、電機メーカー勤務などを経て、88年にイオ株式会社を設立、石のギャラリーを中心とした業務を展開する。東京都内を中心に大規模墓地や納骨堂の開発、寺院の活性化のプログラム(寺報発行サポート、墓地管理業務)などの事業に携わっている。

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