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一条真也の供養論㊾ 墓と仏壇を自分で作る

2022.08.01

 少子高齢化、核家族化が進み、お墓の悩みを抱える人が増えている。先祖のお墓を引っ越しする「墓じまい」、新たにお墓をつくる「墓じたく」など、お墓のかたちが多様化している。
 前回も触れたとおり、『論語と冠婚葬祭』(現代書林)で、わたしは、わが国における儒教研究の第一人者である中国哲学者で大阪大学名誉教授の加地伸行先生と対談させていただいた。加地先生は、「お墓の問題は簡単に解決できます。もし、土地付きの家をもっていたら、その敷地内に、自分の亡き親族のお墓を建ててしまえばいいのです。しかし法律が禁じている、と思われるかもしれません。地目が墓地でなければ埋葬してはいけないことになっているからです。では、敷地の一角を墓地に地目変更しようと思っても、時間が掛かります。しかしその必要はないんです」と語られた。
 
 例えば石碑に、「加地家之墓」と書いた瞬間に、墓地関係の法律に全部引っかかってしまう。ところが、「加地家記念(あるいは祈念)碑」としたら、全然関係ないという。誰も文句は言えない。黙っていれば、そこに遺骨を納めてまったく構わないという。お骨が家の中にあるか、外の碑の下にあるかの違いだけであるというのだ。加地先生は、「地目は宅地のままです。自宅がマンションだったら、マンション入居者で話しあって一角に記念碑を建てればすむことです。いかがでしょうか」と言われた。なるほど、これなら墓問題は解決だ。

 墓と並んで、祖先とのコミュニケーション・ツールとして仏壇がある。仏壇は、聖なる空間にして、かつ家族の絆を強烈に意識できる、素晴らしい日本特有の装置である。仏壇の前で、家族はともに泣き、ともに喜ぶことができる。それこそが家族主義の姿であろう。
 しかし、現在では仏壇のない家が増えている。加地先生は、「もし家に仏壇がなければ、作ればいい。菓子箱でも段ボール箱でもかまいません。何も黒色でなくても、千代紙を貼って華やかな色調にしてもいい。内部は三段にし、上段に仏様(お釈迦様でも観音様でも)を安置し、中段にはあなたの家の祖先の位牌を建て、下段には、向かって左から花瓶(花を活ける)・香炉(線香を点てる)・ろうそく立ての三つを置けばりっぱなお仏壇なのである。大切なことは、仏壇という〈物〉ではない。祖先と出会う〈こころ〉なのです」と語られている。
 わたしは、加地先生の発言を聴いて、目から鱗が落ちる思いであった。なるほど、墓も仏壇も自分で作ることができるのである。自らの人生を修めるために、ハンドメイドの墓や仏壇も悪くないかもしれない。

 いちじょう・しんや
 1963年生まれ。福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒。本名は佐久間大手冠婚葬祭会社サンレー社長。『老福論』『葬式は必要!』『愛する人を亡くした人へ』『命には続きがある』『儀式論』など著書は100冊以上。2012年、『論語』の精神の普及により、第2回「孔子文化賞」を受賞。2018年、上智大学グリーフケア研究所客員教授に就任。


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  • 一条真也さん

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