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一条真也の供養論㉛ 『鬼滅の刃』は夏祭りと盆踊りの代わりだった?

2021.02.01

 昨年は新型コロナウイルスの猛威に振り回された1年だったが、そんな中で社会現象と呼べる大ブームを巻き起こしたのが『鬼滅の刃』である。漫画も、アニメも、映画も、史上最大のヒットを記録する、という信じられないような現象を巻き起こした。「なぜ、『鬼滅の刃』はコロナ禍の中で大ヒットしたのか」という謎を解くために、わたしは『「鬼滅の刃」に学ぶ』(現代書林)という本を書いた。

 令和2年、改元の翌年にわたしたちが迎えた夏は極めて異常なものだった。新型コロナウイルスによってあらゆる行動が制限を受け、ビフォー・コロナどおりの行動をそのまま継続できた例はほとんどなく、さまざまなことが「密」を避けるために変化を求められた。これは夏に行われる祭事、すなわち夏祭りや盆踊りも例外ではなかった。全国の花火大会もコロナ禍を要因に中止された。

 民俗学者の畑中章宏氏は、「日本の人々がこれまで続けてきた祭りのほとんどは、祖霊を供養するためと、疫病除去の祈願のためだったといっても言い過ぎではない」と指摘している。確かに、日本の祭礼の目的は(稲の豊作祈願を含めた)祖霊祭祀と病疫除去にあったと考えて間違いない。そして、その中でもいわゆる夏祭りは、病疫退散が主たる目的といえるものが少なくない。これは夏という季節が、暑さによる人間の生命力低下とともに、病魔が広がりやすくなる季節であることが理由として挙げられる。

 コロナ禍における祭礼のあり方は、日本人の「こころ」を安定させるためにも今後早急に検討されなければならない。しかし、現在の状況の中で一縷の望みがあるとすれば、それは「まつりのあるべき姿」や「先祖祭祀のありかた」を見直す声が出ていることだろう。
 
 コロナ禍の現状、ことごとく祭礼が中止された。その中で生じる最大の問題は、夏祭りや盆踊りが担っていた祖霊祭祀と病疫除去という役割を、誰が担うのかというものである。その答えの1つが、わたしは『鬼滅の刃』という作品だったと思う。
 夏祭りは先祖供養であると同時に、疫病退散の祈りであった。それが中止になったことにより、日本人の無意識が自力ではいかんともしがたい存在である病の克服を願い、疫病すなわち鬼を討ち滅ぼす物語であり、さまざまな喪失を癒す物語でもある「鬼滅の刃」に向かった側面があるのではないか? わたしは、そう考える。

いちじょう・しんや
 1963年生まれ。福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒。大手冠婚葬祭会社サンレー社長。『老福論』『葬式は必要!』『愛する人を亡くした人へ』『命には続きがある』『儀式論』など著書は100冊以上。2012年、『論語』の精神の普及により、第2回「孔子文化賞」を受賞。上智大学グリーフケア研究所客員教授。


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