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一条真也の供養論㉚ 『鬼滅の刃』にみる供養のあり方

2021.01.01

 あけまして、おめでとうございます。年が明けても、世間では新型コロナウィルスと『鬼滅の刃』の話題で持ちきりだ。『鬼滅の刃』とは、吾峠呼世晴氏の漫画で、アニメ化・映画化され大ヒットし、もはや社会現象にまでなっている。
 本当は、『鬼滅の刃』のように、あまりにも流行になったものはスルーしたいと思っていた。しかし、インサイト代表の桶谷功氏が「このようにブームを巻き起こしているものがあったら、たとえ自分の趣味ではなかろうが、軽薄なはやりもの好きと思われようが、必ず一度は見ておくべきです。社会現象にまでなるものには、どこか優れたものがあるし、『時代の気分』に応えている何かがある。それが何なのかを考えるための練習材料に最適なのです」と述べているのを知り、「その通りだな」と思った。実際、大当たりであった。

 まず、この物語のテーマは、わたしが研究・実践している「グリーフケア」ではないか!
 鬼というのは人を殺す存在であり、悲嘆(グリーフ)の源である。そもそも冒頭から、主人公の竈門炭治郎(かまどたんじろう)が家族を鬼に惨殺されるという巨大なグリーフから物語が始まる。
 また、大切な人を鬼によって亡き者にされる「愛する人を亡くした人」が次から次に登場する。それに対して鬼殺隊に入って鬼狩りをする一部の人々は、復讐という(負の)グリーフケアを自ら行うのだ。しかし、鬼狩りなどできない人々がほとんどであり、彼らに対して炭治郎は「失っても、失っても、生きていくしかない」と言うのであった。強引のようではあっても、これこそグリーフケアの言葉ではないだろうか。

 炭治郎は、心根の優しい青年である。鬼狩りになったのも、鬼にされた妹の禰豆子(ねずこ)を人間に戻す方法を鬼から聞き出すためであり、もともと「利他」の精神に溢れている。その優しさゆえに、炭治郎は鬼の犠牲者たちを埋葬し続ける。無教育ゆえに字も知らず、埋葬も知らない仲間の伊之助が「生き物の死骸なんか埋めて、なにが楽しいんだ?」と質問するが、炭治郎は「供養」という行為の大切さを説くのであった。
 さらに、炭治郎は人間だけでなく、自らが倒した鬼に対しても「成仏してください」と祈る。まるで、「敵も味方も、死ねば等しく供養すべき」という怨親平等の思想のようだ。『鬼滅の刃』には、「日本一慈しい鬼退治」とのキャッチコピーがついており、さまざまなケアの姿も見られる。鬼も哀しい存在なのである。
 『鬼滅の刃』はまさに現代のグリーフケア物語そのものだ。〝癒し〟を求める現代社会がこの作品を欲しているのも大いにうなづける。わたしは『「鬼滅の刃」に学ぶ』(現代書林)という本を書き、新年早々に刊行することになった。ご一読を乞う。


いちじょう・しんや
 1963年生まれ。福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒。大手冠婚葬祭会社サンレー社長。『老福論』『葬式は必要!』『愛する人を亡くした人へ』『命には続きがある』『儀式論』など著書は100冊以上。2012年、『論語』の精神の普及により、第2回「孔子文化賞」を受賞。上智大学グリーフケア研究所客員教授。


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