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一条真也の供養論㉘  家族遺棄社会

2020.11.02

 『東洋経済オンライン』で「引き取り手ない『お骨』が彷徨う家族遺棄の過酷~無縁仏と向き合う横須賀市職員が見た現実」という記事を読んだ。ノンフィクション作家の菅野久美子さんが書かれた『家族遺棄社会 孤立、無縁、放置の果てに。』(角川新書)から一部抜粋・再編集している内容だが、非常に暗澹たる気分になり、考えさせられた。早速、菅野氏の著書もアマゾンで取り寄せ、一気に読んだ。
 現代は、孤立・孤独者が1000万人の時代である。孤立者は現役世代の男性に多く見られ、けっして人ごとではない。当該記事は、普通の人が突然陥る現実を丹念に取材し、一人ひとりの身の上に襲い掛かろうとしている「家族遺棄社会」のリアルを紹介するとともに、そんな日本社会に懸命に向き合う人々の実態に迫る衝撃のノンフィクションである。菅野氏は、「一人で死ぬのは、決して美学ではない。大切なのはちょっとしたつながり」と訴える。
 
 2017年7月16日付の「毎日新聞」によると、国の政令市で2015年度に亡くなった人の約30人に1人が、引き取り手のない無縁仏として自治体に税金で弔われていたことが明らかになったという。全政令市で計約7400柱に上り、10年でほぼ倍増している。大阪市では、なんと9人に1人が無縁仏だった。背景には、死者の引き取りを拒む家族の増加や葬儀費を工面できない貧困層の拡大があるようだ。この調査では、都市部で高齢者の無縁化が進む実態が浮き彫りになった。
 まさに家族遺棄社会の成れの果てが引き取り手すらない「漂流遺骨」なのである。火葬を行う人が見つからない場合は、市区町村が火葬する。その後、自治体はそのお骨を引き取ってくれる遺族を探すのだが、その引き取りを拒否する遺族が増えている。引き取り手のないお骨は、通常業務をしている市役所の奥の倉庫にもあるという。

 「無縁社会」が叫ばれ、NHKスペシャルで特集されたのが2010年。あれから、ちょうど10年になるが、社会の無縁化はさらに進行しているようだ。哲学者ヘーゲルは、「家族とは弔う者である」と言った。わたしも、いくら面倒で大変でも、家族が亡くなったら、たとえどの様なかたちであっても葬儀をあげ、埋葬をし、供養するのが「人の道」だと考えている。しかし、現実を見ると、どんどん事態は悪化している。このままでは、日本はどうなるのか。家族の縁を簡単に断ち切ってもいいのか。あなたが遺棄した家族は、未来のあなたの姿でもあることを知ってほしい。


いちじょう・しんや
 1963年生まれ。福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒。大手冠婚葬祭会社サンレー社長。『老福論』『葬式は必要!』『愛する人を亡くした人へ』『命には続きがある』『儀式論』など著書は100冊以上。2012年、『論語』の精神の普及により、第2回「孔子文化賞」を受賞。上智大学グリーフケア研究所客員教授。


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  • 一条真也さん

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