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一条真也の供養論㉗  家族葬の罪と罰

2020.10.01

 ある週刊誌が終活特集を組み、「家族葬の罪と罰」というテーマで、わたしも取材を受けました。わずらわしい人間関係を避けつつ、あまりおカネをかけたくない人たちが家族葬を選んでいるといいます。結局、家族葬の根本にあるのは、「なるべく労力をかけたくない」という本音です。
  しかし、わたしは「葬儀は、面倒だからこそ意味がある」と指摘し、「よくよく考えてみれば、人がひとりこの世からいなくなってしまうというのは大変なことです。骨になってしまえば、生の姿を見ることは二度と出来ない。取り消しがつかないからこそ、憂いは残さないほうがいい。億劫という気持ちはいったん脇において、関係のあった多くの人に声をかけ、故人と最後の挨拶を交わす場所を用意してあげるべきです。選択を誤れば、最期を迎える自分自身も無念が残るし、家族にも『罪と罰』という意識だけを抱かせてしまうことになる。一生の終わりに間違いを犯さぬよう、よくよく考えて『去り方』を決めなければならない」と述べました。

「家族葬」は、もともと「密葬」と呼ばれていたものです。身内だけで葬儀を済ませ、友人・知人や仕事の関係者などには案内を出しません。そんな葬儀が次第に「家族葬」と呼ばれるようになりました。しかしながら、本来、ひとりの人間は家族や親族だけの所有物ではありません。どんな人でも、多くの人々の「縁」によって支えられている社会的存在であることを忘れてはなりません。「密葬」には「秘密葬儀」的なニュアンスがあり、出来ることなら避けたいといった風潮がありました。
 それが、「家族葬」という言葉を得ると、なんとなく「家族だけで故人を見送るアットホームな葬儀」といったニュアンスに一変し、身内以外の人間が会葬する機会を一気に奪ってしまったのです。

 また、昨今わたしたちが目にするようになった「直葬」に至っては、通夜も告別式も行わず、火葬場に直行します。これは、もはや「葬儀」ではなく、「葬法」というべきでしょう。そして、「直葬」などというもったいぶった言い方などせず、「火葬場葬」とか「遺体焼却」という呼び方のほうがふさわしいように思います。
 すでにさまざまな関係性が薄れつつある世の中ですが、家族葬をはじめとする密葬的な葬儀が進むと「無縁社会」が一層深刻化することは確実です。さらにそれだけにとどまらず、家族葬で他人の死に接しないことが、他人の命を軽視することにつながり、末恐ろしいことにつながらなければ良いと思います。

いちじょう・しんや
 1963年生まれ。福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒。大手冠婚葬祭会社サンレー社長。『老福論』『葬式は必要!』『愛する人を亡くした人へ』『命には続きがある』『儀式論』など著書は100冊以上。2012年、『論語』の精神の普及により、第2回「孔子文化賞」を受賞。上智大学グリーフケア研究所客員教授。


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