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一条真也の供養論㉒  葬儀崩壊を起こすな!

2020.05.01

 新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で止まりません。人類社会は完全に立ち往生しています。感染が急速に広がった南米エクアドルでは、遺体がビニールにくるまれただけの状態で歩道に放置されていると、4月10日にロイターが報じました。大統領は当局による遺体の取り扱いについて調査を行う考えを示しましたが、遺族からは怒りの声が上がっているといいます。

 わたしは、新型コロナウイルスの感染拡大による「医療崩壊」の次は、葬儀を行う体制が崩壊する「葬儀崩壊」が起こるのではないかと心配しているのですが、エクアドルではそれが現実になったようです。
 現在、医療崩壊を招いた国では助けられたはずの人が次々と亡くなっています。その数は火葬場が足りなくなるほどで、イタリアにおける教会、スペインにおけるアイスアリーナ、ニューヨークにおけるビル街といった場所に臨時の遺体安置所が続々と設置されています。新型コロナウイルスの感染による死者数が世界一となったアメリカでは、ニューヨーク市ブロンクス北東にあるハート島の共同墓地に、経済的理由などで葬儀が行われない遺体や引き取り手のない遺体が次々と埋葬されています。

 山形大学名誉教授で仏教史学者の松尾剛次氏は、著書『葬式仏教の誕生』(平凡社新書)で、日本の中世には街に遺体が転がっているような状況が度々起こり、そうした死者と遺族のために読経することが僧侶の重要な役目となった結果、それが葬式仏教の成立につながったのだと述べています。21世紀の現在、世界各地がその状況に戻ったようにも思えます。

 「葬式仏教」が根付いた日本でも、新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった方の葬儀が行うことができない状況が続いています。代表的なものでは3月29日、日本を代表するコメディアンであった志村けんさんが70歳で亡くなられましたが、ご遺族がご遺体に一切会えないまま荼毘に付されました。
 新型コロナウイルスに感染した患者さんは最期に家族にも会えず、亡くなった後も葬儀を開いてもらえないのです。ご遺族は、二重の悲しみを味わうことになります。さらに、肺炎で亡くなった方の中には新型コロナウイルスかと疑われる方もあるので、参列を断ったり、儀式を簡素化するケースも増えてきています。これから、日本人の供養はどうなっていくのでしょうか。わたしは今、このようなケースに合った葬送の「かたち」、そして、グリーフケアの具体的方法を模索しています。


いちじょう・しんや
 1963年生まれ。福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒。大手冠婚葬祭会社サンレー社長。『老福論』『葬式は必要!』『愛する人を亡くした人へ』『命には続きがある』『儀式論』など著書は90冊以上。2012年、『論語』の精神の普及により、第2回「孔子文化賞」を受賞。上智大学グリーフケア研究所客員教授。


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