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一条真也の供養論㉑ VRで故人と再会する

2020.04.01

 東洋経済ONLINEで見つけた『ニューズウィーク日本版』ウエブ編集部の「死んだ娘とVRで再会した母親が賛否呼んだ理由」という記事には考えさせられた。
 VR(バーチャルリアリティー)では、ヘッドセットとゴーグルをつけ、誰でも簡単に仮想現実の世界へ入って行ける。いまやテクノロジーの驚異的な発達で、その技術はエンターテインメントにとどまらず、さまざまな場面で活かされている。映画配給コーディネーターのウォリックあずみ氏が書いた同記事では、「VRで3年前に亡くなった娘と『再会』」として、2月6日に韓国で放送された「MBCスペシャル特集―VRヒューマンドキュメンタリー"あなたに会えた"」という番組を紹介している。

 番組の内容は、2016年に3年前に血球貪食性リンパ組織球症(HLH)を発症し、7歳で亡くなってしまったカン・ナヨンちゃんとその家族、主に母親との再会の話である。ナヨンちゃんは発症後、ただの風邪だと思い病院を受診したところ、難病が発覚し入院した。その後たった1カ月で帰らぬ人となったが、家族は3年以上たった今でもナヨンちゃんの事を思い続け悲しみに暮れていた。そこで、MBC放送局はVR業界韓国内最大手である「VINEスタジオ」社と手を組み、ナヨンちゃんと母親を仮想現実の中で再会させてあげたわけである。
 その動画をわたしも観たが、もう泣けて仕方がなかった。亡くなったわが子に会いたいという想いが痛いほど伝わってきた。わたしの2人の娘はともに元気だが、彼女たちがじつは幼い頃に死んでいて、VRで再会したシチュエーションを想像すると、もうボロボロと涙が出てきた。

 しかしながら、恐山のイタコを通した死者との対話である「口寄せ」を連想したのも事実だ。イタコの姿や声そのものが変化しないことで、あくまで「死者そのものは生前と同じ状態でその場にいない」ことが理解できるように、死者と生者という、分かちがたい境界を意識させるものが、遺族のためにも存在しなければならない。
 そうした倫理的な区分さえしっかりとさせておき、適切な利用に導きさえすれば、VR技術はその進歩と連動して、有力なグリーフケアの担い手となることだろう。仮想現実の中で今は亡き愛する人に会う。それはもちろん現実ではないが、悲しみの淵にある心を慰めることはできるはずだ。何よりも、自死の危険を回避するだけでもグリーフケアにおけるVRの活用は検討すべきではないかと思う。

いちじょう・しんや
 1963年生まれ。福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒。大手冠婚葬祭会社サンレー社長。『老福論』『葬式は必要!』『愛する人を亡くした人へ』『命には続きがある』『儀式論』など著書は90冊以上。2012年、『論語』の精神の普及により、第2回「孔子文化賞」を受賞。上智大学グリーフケア研究所客員教授。


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  • 一条真也さん

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