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一条真也の供養論⑲ 「慈経」のメッセージとは?

2020.02.03

 このたび、わたしは、『慈経 自由訳』(現代書林)を上梓しました。わたしがお経を自由訳した本で、以前は三五館から刊行されていました。しかし、同社が倒産したことにより長らく絶版になっていました。ですが「もう一度、刊行してほしい」との声を多くいただき、新たな版元から生まれ変わることになりました。訳文に添えられている写真も女流写真家リサ・ヴォ―ト氏から、沖縄在住の写真家である安田淳夫氏の作品に交代しました。

 「慈経」(メッタ・スッタ)は、仏教の開祖であるブッダの本心が最もシンプルに、そしてダイレクトに語られている、最古にして、最も重要なお経のひとつです。上座仏教の根本経典であり、大乗仏教における「般若心経」にも比肩します。
 上座仏教はかつて、「小乗仏教」などと蔑称された時期がありました。しかし、上座仏教の僧侶たちはブッダの教えを忠実に守り、厳しい修行に明け暮れるとともに、慈経に代表される古い教典を多く今日に伝えてきました。
 原題にある「メッタ」とは、怒りのない状態を示し、つまるところ「慈しみ」という意味になります。「スッタ」とは、「たていと」「経」を表します。ブッダは8月の満月の夜にこの「慈経」を説いたと伝えられています。満月は、満たされた心のシンボルなのです。

 生命のつながりを洞察したブッダは、人間が浄らかな高い心を得るために、すべての生命の安楽を念じる「慈しみ」の心を最重視しました。そして、すべての人にある「慈しみ」の心を育てるために「慈経」のメッセージを残したのです。
 「慈経」はもともと詩として詠まれていました。すなわち単に書物として読まれるものではなく、吟詠されたものだったのです。わたしも、なるべく吟詠するように、千回近くも音読して味わい、自由訳に臨みました。自らの人生をかけて、魂をこめて、「慈経」のメッセージをわかりやすい言葉に直したつもりです。

 「慈経」の教えは、老いゆく者、死にゆく者、そして不安をかかえたすべての者に、心の平安を与えてくれます。多種多様かつ多くの悩みを抱くこれからの日本人にとって一番必要なお経が「慈経」であると確信しています。
 最も興味深いのは、テーラワーダ仏教諸国では、ブッダが「慈経」を説いたのは先述のとおり8月の満月の日であるとされていることです。わたしが満月に格別の感情を抱いていることはご存知かと思いますが、いつか北九州市の門司港にある日本で唯一のミャンマー式寺院である「世界平和パゴダ」で満月の夜の行事を盛大に行いたいと思っています。
 
 
 いちじょう・しんや
 1963年生まれ。福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒。大手冠婚葬祭会社サンレー社長。『老福論』『葬式は必要!』『愛する人を亡くした人へ』『命には続きがある』『儀式論』など著書は90冊以上。2012年、『論語』の精神の普及により、第2回「孔子文化賞」を受賞。上智大学グリーフケア研究所客員教授。


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  • 一条真也さん

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