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一条真也の供養論⑰ 歌舞伎は「孝」の芸術

2019.12.02

 小倉城(北九州市)の天守閣再建60周年に当たる本年を彩る記念事業にして、博多座20周年特別公演である歌舞伎の「平成中村座小倉城公演」を鑑賞しました。
 まるで、江戸の芝居小屋にタイムトリップしたような時空を超えるエンターテインメントを堪能できました。わたしが広告代理店の新入社員だった頃、歌舞伎座100周年記念イベントの仕事をしたことがあります。連日、歌舞伎について勉強し、また鑑賞するうちに、その魅力にすっかり取りつかれたのですが、最近は忙しさにかまけて歌舞伎から遠ざかっており、今回は久々の鑑賞でした。

 平成中村座は歌舞伎役者の十八世中村勘三郎(初演時は五代目中村勘九郎)と演出家の串田和美らが中心となって誕生しましたが、座主の十八世勘三郎が2012年12月に亡くなったため、2013年は公演を行いませんでした。しかし、勘三郎の遺志を継いだ長男の六代目中村勘九郎が座主を引き継ぎ、2014年に実弟の二代目中村七之助、二代目中村獅童と共に米ニューヨークで平成中村座復活公演を行い、見事成功させました。二人の息子たちが志を継いでくれた十八世中村勘三郎は本当に幸せな人だと思います。また、父の遺志を継いだ二人の息子たちも立派です。

 もともと、わたしは歌舞伎とは「孝」の芸術であると思っていました。
 現在生きているわたしたちは、自らの生命の糸をたぐっていくと、はるかな過去にも、はるかな未来にも、祖先も子孫も含め、みなと一緒に、ともに生きていることになります。わたしたちは個体としての生物ではなく一つの連続する生命として、過去も現在も未来も、一緒に生きるわけです。これが儒教のいう「孝」であり、それは「生命の連続」を自覚するということです。「孝」という画期的なコンセプトを唱えた孔子は、「人間が死なない方法」を考え出したのかもしれません。

 「孝」という死生観は、明らかに生命科学におけるDNAに通じていると言えるでしょう。中国哲学者で儒教研究の第一人者である加地伸行氏によれば、「遺体」とは「死体」という意味ではありません。人間の死んだ体ではなく、文字通り「遺(のこ)した体」というのが、「遺体」の本当の意味です。つまり遺体とは、故人がこの世に遺していった身体、すなわち「子」なのです。あなたは、あなたの祖先の遺体であり、ご両親の遺体なのです。
 わたしは「孝」の神髄を歌舞伎に見た思いがしました。まさにそのとき、平成中村座の舞台には、十八世中村勘三郎の遺体が二体並んでいたのです。


いちじょう・しんや
 1963年生まれ。福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒。大手冠婚葬祭会社サンレー社長。『老福論』『葬式は必要!』『愛する人を亡くした人へ』『命には続きがある』『儀式論』など著書は90冊以上。2012年、『論語』の精神の普及により、第2回「孔子文化賞」を受賞。上智大学グリーフケア研究所客員教授。


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  • 一条真也さん

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