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一条真也の供養論⑯ グリーフケアの時代へ

2019.11.01

 この連載のテーマは「供養」ですが、供養と密接な関係にあるのが「グリーフケア」です。「グリーフケア」という言葉を知らない人のために簡単に説明しますと、「悲嘆からの回復」ということになるでしょうか。

 「悲嘆」といっても、さまざまな種類があります。上智大学グリーフケア研究所の前所長である高木慶子氏は、著書『悲しんでいい』で次に挙げる「悲嘆を引き起こす7つの原因」というものを紹介しておられます。
 1.愛する人の喪失――死、離別(失恋、裏切り、失踪)
 2.所有物の喪失――財産、仕事、職場、ペットなど
 3.環境の喪失――転居、転勤、転校、地域社会
 4.役割の喪失――地位、役割(子供の自立、夫の退職、家族のなかでの役割)
 5.自尊心の喪失――名誉、名声、プライバシーが傷つくこと
 6.身体的喪失――病気による衰弱、老化現象、子宮・卵巣・乳房・頭髪などの喪失
 7.社会生活における安全・安心の喪失

 わたしたちの人生とは喪失の連続であり、それによって多くの悲嘆が生まれています。東日本大震災の被災者の人々は、いくつものものを喪失した、いわば多重喪失者でした。家を失い、さまざまな財産を失い、仕事を失い、家族や友人を失ってしまいました。
 しかし、数ある悲嘆の中でも、愛する人の喪失による悲嘆の大きさは計り知れないといえるでしょう。グリーフケアとは、この大きな悲しみを少しでも小さくするためにあります。死者を悼み、様々な方法でその冥福を祈る供養も、生者にとってはグリーフケアの一環とみることもできます。

 最近、『グリーフケアの時代』(弘文堂)という本が出版されました。「『喪失の悲しみ』に寄り添う」というサブタイトルが付されています。上智大学グリーフケア研究所所長を務める島薗進氏(東京大学名誉教授)、同研究所副所長で特任教授の鎌田東二氏(京都大学名誉教授)、そして同研究所客員教授であるわたしの3人の共著です。
 全3章のうち、島薗氏は第1章「日本人の死生観とグリーフケアの時代」を、鎌田氏は第2章「人は何によって生きるのか」を担当。わたしは第3章「グリーフケア・サポートの実践」を担当し、「ケアとしての葬儀の取り組み」「ケアとして遺族会の役割」「ケアとしての『笑い』」「ケアとしての『読書』」「ケアとしての『映画鑑賞』」について詳しく述べました。
 葬儀とその直後のご遺族をサポートさせていただく中で、わたしは数多くの悲嘆を目撃してきました。これからもグリーフケアの理論と方法について研究していくとともに、その実践と普及に励みたいと思います。


いちじょう・しんや
 1963年生まれ。福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒。大手冠婚葬祭会社サンレー社長。『老福論』『葬式は必要!』『愛する人を亡くした人へ』『命には続きがある』『儀式論』など著書は90冊以上。2012年、『論語』の精神の普及により、第2回「孔子文化賞」を受賞。上智大学グリーフケア研究所客員教授。


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