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【一条真也の供養論】⑭お盆は休みのためにある?

2019.09.02

 今年のお盆(旧盆)は、超大型の台風10号が日本列島を直撃しました。各地で交通網が混乱し、観光客や帰省客に大きな影響が発生しました。
 さて、本来お盆といえば、墓参りです。これは、先祖を偲び供養するために、お盆には欠かせない行事でした。
 ところがお盆は今、夏季休暇のひとつになってしまっているのではないでしょうか。たしかに「お盆休み」という言い方で、日本人は夏休みを取る習慣があります。

「休み」というと、西洋的な考え方ではバカンスというか、リフレッシュするという意味合いが強いわけですが、日本においては「帰省」という言葉に代表されるように、故郷に帰る意味が込められていました。
 お盆休みとは、まさに、子孫である孫たちを連れて、先祖(祖父母を含む)に会いに夫の故郷へ帰るというものだったのです。じつは、こうした風習も今、不合理ということで変化してきました。同じ時期にみんなで休めば、電車や飛行機といった交通機関は混む上に高い、ということで分散するようになり、家族旅行は夫の故郷への帰省ではなく、国内や海外への家族旅行になっています。

 おばあちゃんが孫のためにつくった郷土料理は、いつの間にかファミレスのハンバーグになり、回転ずしになってしまいました。こうしたことも、先祖や家族との結びつきを希薄にしているのではないでしょうか。
「家」の意識などというと、良いイメージを抱く人は少ないかもしれません。そうした背景もあってか、戦後の日本人は、「家」から「個人」への道程をひたすら歩んできました。冠婚葬祭を業としているわたしたちから見ると、その変化がよくわかります。

 たとえば結婚式。かつては「○○家・△△家結婚披露宴」として家同士の縁組みが謳われていたものが、今ではすっかり個人同士の結びつきになっています。
 葬儀も同様です。次第に家が出す葬儀から個人葬の色合いが強まり、中には誰も参列者がいない孤独葬という気の毒なケースも増えてきました。
 
 たしかに戦前の家父長制に代表される「家」のシステムは、日本人の自由を著しく拘束してきたと思います。なにしろ「家」の意向に反すれば、好きな職業を選べず、好きな相手と結婚できないという非人間的な側面もあったわけですから。その意味で、戦後の日本人が「自由」化、「個人」化してきたこと自体は悪いことではありません。
 でも、「個人」化が行き過ぎたあまり、とても大事なものを失ってしまったのではないでしょうか。それは、先祖や子孫への「まなざし」ではないかと思います。


いちじょう・しんや
 1963年生まれ。福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒。大手冠婚葬祭会社サンレー社長。『老福論』『葬式は必要!』『愛する人を亡くした人へ』『命には続きがある』『儀式論』など著書は90冊以上。2012年、『論語』の精神の普及により、第2回「孔子文化賞」を受賞。上智大学グリーフケア研究所客員教授。


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  • 一条真也さん

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