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【一条真也の供養論】⑧のこされた あなたへ

2019.03.01

 今年も「3・11」がやってくる。
 東日本大震災の発生から8年目となる今年は、平成最後の「3・11」でもある。
 2011年3月11日は、日本人にとって決して忘れることのできない日となった。三陸沖の海底で起こった巨大な地震は、信じられないほどの高さの大津波を引き起こし、東北から関東にかけての太平洋岸の海沿いの街や村々に壊滅的な被害をもたらした。福島の第1原子力発電所の事故も引き起こした。亡くなった方は1万5897人、いまだ2534人の行方が分かっていない(平成30年12月10日時点)。さらに5.3万人の方々が今も避難生活を送っておられる。未曾有の大災害は現在進行形で続いている。

 大津波の発生後、しばらくは大量の遺体は発見されず、多くの行方不明者がいた。火葬場も壊れて通常の葬儀をあげることができず、現地では土葬が行われた。海の近くにあった墓も津波の濁流に流された。
 葬儀ができない、遺体がない、墓がない、遺品がない、そして、気持のやり場がない・・・・・・まさに「ない、ない」尽くしの状況は、東日本大震災のダメージがいかに甚大であり、辛うじて助かった被災者の方々の心にも大きなダメージが残されたことを示していた。現地では毎日、「人間の尊厳」が問われた。亡くなられた犠牲者の尊厳と、生き残った被災者の尊厳がともに問われ続けたのである。「葬式は、要らない」という妄言は、大津波とともに流れ去ってしまった。

 わたしは、東日本大震災で愛する人を亡くした人たちのことを考えた。
 わが社が取り組んできたグリーフケア活動をさらに推進させ、上級心理カウンセラーの資格を多くの社員が取得した。わたし自身も、さらにグリーフケアについての研究を重ねた。2012年7月には京都大学で「東日本大震災とグリーフケアについて」を報告する機会も与えていただいた。わたしにとって、まことに貴重な経験となった。

 そして、愛する人を亡くし、生き残った方々は、これからどう生きるべきなのか。そんなことを考えながら、わたしは『のこされた あなたへ』(佼成出版社)を書いた。もちろん、どのような言葉をおかけしたとしても、亡くなった方が生き返ることはないし、残された方の悲しみが完全に癒えることもない。しかし、少しでもその悲しみが軽くなるお手伝いができないかと、わたしは心を込めて、ときには涙を流しながら同書を書いたのである。同書の内容は上智大学グリーフケア研究所の特別講義でも言及し、昨年わたしは同研究所の客員教授に就任した。これからも、「のこされた あなたへの」言葉を考え続けたい。

いちじょう・しんや
 1963年生まれ。福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒。大手冠婚葬祭会社サンレー社長。『老福論』『葬式は必要!』『愛する人を亡くした人へ』『命には続きがある』『儀式論』など著書は90冊以上。2012年、『論語』の精神の普及により、第2回「孔子文化賞」を受賞。上智大学グリーフケア研究所客員教授。


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  • 一条真也さん

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