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【一条真也の供養論】⑥正月には先祖供養を!

2019.01.01

 平成最後の年が明けた。みなさんは、正月を祝われているだろうか?
 わが家では、いつものように正月飾りをした。家の前に門松を立て、床の間に鏡餅を供えた。正月を迎えると、しみじみと「ああ、自分は日本人だ」と実感する。

 民俗学者の折口信夫は、年中行事を「生活の古典」と呼んだ。彼は、『古事記』や『万葉集』、『源氏物語』などの「書物の古典」とともに、正月、節分、雛祭り、端午の節句、七夕、盆などの「生活の古典」が日本人の心にとって必要であると訴えたのである。
 いま、「伝統文化や伝統芸能を大切にせよ」などとよく言われるが、それはわたしたちの暮らしの中で昔から伝承されてきた「生活の古典」がなくなる前触れではないかという人もいる。國學院大學客員教授の岩下尚史氏などは、「正月もそのうち実体がなくなる。おそらく今の80代の人たちが絶える頃には、社寺は別としても、古風な信仰を保つ人たちを除いては、単なる1月になるだろう」と、著書『大人のお作法』(集英社インターナショナル新書)で予測している。

 わたしたち日本人にとって、正月に初日の出を拝みに行ったり、有名な神社仏閣に初詣に出かけるのは、いたって見慣れた、当たり前の光景である。これらの行事は日本の古くからの伝統だと思われがちだが、実のところ、初日の出も初詣も、いずれも明治以降に形成された、新たな国民行事と呼べるものだ。

 それ以前の正月元日は、家族とともに、「年神」(歳徳神)を迎えるため、家のなかに慎み籠って、これを静かに待つ日であった。日本民俗学では、この年神とは、もとは先祖の霊の融合体ともいえる「祖霊」であったとされている。また、本来、正月は盆と同様に祖霊祭祀の機会であったことは、隣国である中国や韓国の正月行事を見ても容易に理解できる。
 つまり、正月とは死者のための祭りなのである。

 日本の場合、仏教の深い関与で、盆が死者を祀る日として凶礼化する一方、それとの対照で、正月が極端に「めでたさ」の追求される吉礼に変化したというのは、日本民俗学の父である柳田國男の説である。しかし祖霊を祀るという意味が忘れられると、年神は陰陽道の影響もあって、年の初めに一年の幸福をもたらす福神と見なされていった。

 さらに近代に至って、太陰暦から太陽暦に改暦されると、同じ年の改まる機会であった立春、つまり節分の重要性が低下する一方、元日がその重みを増して、年の初めとしての「めでたさ」がより強調され、初詣の習慣が成立していったのだ。
 だから、盆と同様に正月にもまた先祖供養の年中行事なのである。


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