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樹木希林 供養を語る(下)それになるべく荷物をなくして持ち物を少なくしていく

2018.09.17

樹木希林さん(仏教タイムス提供)

 (2016年10月に掲載した記事の再掲です)

 是枝裕和監督の映画『海よりもまだ深く』は日常の生活を描いているんだけど、この映画は後々残る作品だなと思っています。『タイタニック』とか事件ものとか、滑ったり転んだりというのは作品にしやすい。だけど、なんにもない日常を描くというのは難しい。監督はよく挑戦したなと思います。カンヌ映画祭に出品されたけど、観ている方の反応は日本と同じ感じ。けれども、評価は高いくらい。映画の歴史が古くて目が肥えているからなのか日常を描くというのは難しいとわかっていらっしゃる。だから、もう一度観てみたい、となるんじゃないかしら。

 なんでもない日常を当たり前のようにやり続けるということは〝不思議〟なことだと思うの。不思議といっても何か奇跡が起こるというのではないのよ。日常のなんでもないことを倦(う)まず弛(たゆ)まず続けていくこと。飲み過ぎた次の日なんか、“いいか、きょうは…”と思うけど、そうしないでいつもの日常を続けていく。きちんと家の中を掃除したり整理したりと、なんでもないことをやるの。その積み重ねが不思議だし、人間を大きく変えるのよ。そう思うのね。

 それになるべく荷物をなくして持ち物を少なくしていく。そうするととっても楽になる。知り合いの女優さんで100歳を超えて亡くなった長岡輝子さんは、最後、施設に入る時は、ご自分のコートと帽子、身の回りのものを入れる3段の小ダンスだけ。あれは見事だったわね。藤田嗣治さん(画家・彫刻家)や岡本かの子さん(小説家・歌人)たちと同じ頃にフランスのパリに行っていたぐらいだから、それはおしゃれでした。でも最後は本当に、持ち物は少なかった。

 私も使い切るとか、これが処分できたというのは喜びなのよ。こんな喜びを知らないでみんな死んじゃう。カタツムリのように荷物をもって進んでも、三途の川の前に行くとみんな捨てられちゃうのに(笑い)。

 今年の8月16日、NHKが放映する京都の五山の送り火の生中継に出演することになりました。今まではせいぜい絵はがきでみるぐらい。それが全体を見渡せるところに場所をとって、そこから中継でしょう。芸能人になって初めてですよ。こんな役得があるのだなと思ったのは。             
(談)

きき・きりん/昭和18年(1943)1月生まれ。女優。テレビドラマや映画、CMなどで活躍。井上靖原作の映画『わが母の記』では第36回日本アカデミー賞主演女優賞を受賞。映画『奇跡』と『あん』では孫娘の内田伽羅さんと共演した。団地に住む母親と子どもたちの日常を描いた是枝裕和監督作品『海よりもまだ深く』に出演(主演は阿部寛)。第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、話題となる。


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