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「好きだった音楽で送りたい」はNG? 事前に著作権関連の確認を

2017.03.13

 最近、お葬式で「好きな音楽で送られたい・送りたい」と考える人は多い。しかし、どうも、お葬式で自由に音楽を流すのはNGっぽい。どうしてそうなるの?

著作権って?

お葬式で勝手に音楽をかけると著作権侵害になるかも(写真と本文は関係ありません)

 お葬式で音楽を流す際に問題になるのが著作権。音楽では、制作者に著作権が認められている。権利の保護期間は制作者の死後50年。この著作権のなかにはコピーをつくることをコントロールできる「複製権」や、公衆に直接聴かせるための演奏をコントロールできる「演奏権」などがある。演奏権は生演奏だけでなく、CDをかけることも含まれる。

 そして日本には作曲家や作詞家らの委託を受けて音楽の著作権を管理する団体がいくつかある。そのなかで最も大きいのが日本音楽著作権協会(JASRAC)だ。JASRACは1939年設立で、国内外の約350万曲の著作権を管理。音楽の使用料を徴収している。2015年度の年間徴収額は約1117億円にのぼる。

演奏権が発生

 葬儀のときに音楽をかけると何が問題になるのか。JASRACは「演奏権の問題が発生します」とする。

 何百人もの参列者が集まる著名人の葬儀ならば、「公衆に直接聴かせる」という点で演奏権が発生するのは分からないでもない。しかし、家族や近親者だけで送る家族葬で、さらに自分で買ったCDを持ち込んで流してもらう場合、「それって自宅で家族と一緒にCDを聴いているのと同じでは?」という疑問がわく。自宅で買ってきたCDを聴くのに演奏権は発生しないので釈然としない。

 この点についてJASRACは「『誰が音楽をかけるのか』が問題になります。葬儀の場合は、音源を持ち込んでいようと、営利団体である葬儀社などがかけていますので演奏権が発生するのです」と説明する。

 結論は、「好きな音楽で送りたい・送られたい」と思ったら、著作権使用料からは逃れられない、となる。

葬儀社ごとにまちまち

 しかし、個人で著作権使用料を払うことは事実上不可能。では、葬儀場で音楽は流せないのかとなると、JASRACは「葬儀社ら事業者ごとに契約を結んでもらうようにしています。事業者が契約していればCDをかけることはできます」だそうだ。

 契約料は「施設面積500平方メートル以下で定員100人以下の施設ならば年間6000円」と、そう高いものではない。JASRACも葬儀社に加盟を促しているという。

 しかし、契約の実態は葬儀社ごとにまちまちのようだ。葬儀社の業界団体「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連)は「JASRACから葬儀社に『契約するように』という話がきていることは承知していますが、対応は各社ごとの判断になります」とする。著作権フリーの音源を使うのならば、わざわざJASRACと契約する必要はないからだ。

 ただ、JASRACと契約していないと持ち込みCDは流せない。もしも、「あの人が好きだった音楽で送りたい」と考えるならば、事前に葬儀社に著作権に関する契約の有無について確認しておいたほうがよさそうだ。

         
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